朝出掛けに何気なく見ていた某放送局で「通勤8時間」とのテロップが・・
出かけるのを遅くしようと思いテレビに見入ってしまった。
内容はリストラにあった男性がなんと片道3時間だか4時間だかかけて電車通勤しているらしい。
これはきっとリストラで会社を辞めた人が再就職先が無く、自宅から遠くかけ離れた場所にやっと再就職先を見つけた話だと思った。
ところが意に反してこの男性は会社からのリストラに対して頑強に会社を辞めず転勤になっていた話であった。
局は明らかに男性を悲運の人生のごとく作り上げている。
内容を抜粋するとこんなことだ。
38歳のときにヘッドハンティングで今の会社に再就職。その後毎年3%ずつ年収がアップ。
ところが51歳になったとき、会社からあなたが働く部署は無いので退職して欲しい旨を告げられたようである。
男性は家族に相談することもできず、また納得できずに会社に残ったそうだ。
最初は仕事も与えられず(働く場所がないと言った会社としてはしょうがないとも考えられるが・・)そのあと大阪か現在の場所に転勤を命じられたようだ。しかし、大阪には単身赴任でもいけないので現在の勤務地に数時間かけて通勤しているという。普通の会社なら転勤命令は当たり前だし、家族同伴が普通だ。単身赴任とは会社が認めることであって、転勤拒否は個人のわがまま。
さて、この男性は会社から退職勧奨(テレビのテロップでは「退職干渉」になっていて、このへんでも取材のいい加減さを露呈している)を受けたのだが、当然ひとりではなかったのだろうし、退職金の上乗せもあったろうし、退職理由も会社都合になったはずだ。
ところが取材側はこのところを一切明らかにしていない。
また、この男性はどこかのユニオンに駆け込んだらしく、現在会社と「未払い賃金と人格権」を巡って係争中とのこと。
これもまた私に言わせればお粗末。男性は20万くらい収入が減ったらしいのだが(月給で)これが本当なら未払い賃金ではなく「不当な賃金ダウン」
しかし、100万の月収で20万と、60万の月収で20万とでは差が大きい。ここのところもはっきりしない。
リストラとは人をやめさせることではなく、企業を再構築するという意味である。
たぶん、この会社の複数の人たちが退職勧奨にあっていると思う。
それは一番大きな人件費を削減するためにやむなくしていることが多い。
同僚から見れば高給取りが退職勧奨にあって、仕事もしないでただ給料をもらっていることに不満を持つ。もし複数全員がこのような態度を取れば会社は破綻し、全社員が辞めなければならなくなる。(この男性が今までいっしょに昼食をしていた人が急にいっしょに食べなくなった。といっていたが、仲間の気持ちはどうかわからないが・・)
会社と戦う姿勢は結構だが、訴訟にはそれなりのお金と時間がかかるし、このようなケースで原告が勝訴した例は少ない。しかももし負けた場合、頼りにした組合はいっしょになって弁護士費用だとか訴訟費用だとかみてくれるのだろうか。このほうが家族に迷惑をかけるのではないだろうか。
こういう場合は賢く辞めるほうが理にかなっているように私個人は思う。
番組としてはこの男性を悲劇的に扱いたかったのだろうが、コメンテーターの橋下弁護士もコメントに窮していたぞ。
会社勤めをするに当たっては、このような危機管理を自分自身しておくことが大切であろう。
このことはまた改めて書こうと思う。